双子でイジメられる子は少ないんです

大井

将来何になって欲しいとかあるんですか？

剛

将来は公務員です。

大井

（笑）！

剛

もう絶対公務員です。間違いなく公務員になって欲しいです。

大井

でも、親父の職業を見てて、公務員になりたいかどうかなんてわからないじゃないですか。たぶんどっちかですよね。

剛

どっちかですね。う～ん。

大井

たぶん1回は芸人もいいなって思いますよね。親父もそれで飯食えてるし、時代がどういう時代かわからないですけど。芸能関係の仕事がしたいなって言ったら反対はするんですか？

剛

芸人は絶対反対ですね。それだったら「出てけ！」って感じにはなる。

大井

　「パパだって兄弟でやってるじゃないか」って言われたらどうするんですか？
「こっちだって双子でやるんだ」って（笑）。

剛

「その変わりに出て行けよ」ってなりますねえ。まあ、家にはおらせないでしょうね。

大井

そこは甘えさせないっていうことなんですね。

剛

バイトするか、転がり込むか。その才能があるかどうかですね。

大井

もうちょっと手前のことですけど、例えば悪くなったりするかも知れないじゃないですか。中学生くらいになったときに悪くなったら、注意とか出来ます？　その程度にもよると思うんですけど。

剛

「おまえら殺して、俺も死ぬ」ってイヤな台詞を言うかも知れないですね。

大井

じゃあ、イジメられてたらどうします？

剛

どうやろ……。

大井

ある日気付くんですよ、子供が傷だらけになってることに。「どうしたの、それ？」って聞いても本当のことを言わないんです。「いや別に」って。奥さんに話聞いたら「どうもイジメられてるみたいなのよね」って。

剛

まあ、とりあえず戦わせるやろな。1回くらいあるやろな、イジメたりイジメられたりっていうのは。

大井

学校に行く行かないみたいなのもあるじゃないですか。僕の感覚だと、子供がイジメられてても学校に「どうなってるんだー」って言いに行くのは違うような気がしていて。それじゃあ、解決しない気がするから、たぶん行かないと思うんですけど。

剛

どうなんやろね。俺がイジメられた記憶がないからな。

大井

僕もそうなんですよ。イジメられたことがないからリアルに想像できないっていうのはあるんですけど。

剛

結局は自分で解決せなね。

大井

双子だから確率で言えば少ないのかもしれないですね。一人味方がいるから。

剛

双子でイジメられる子は少ないです、ほんまに。
双子はイジメる対象にはならへんって。

大井

双子っていうだけで、ちょっとヒーローですもんね。

剛

僕が小学校のときも双子がいましたけど、確かにイジメにくいというか、むしろ人気者のような。双子って可愛らしいから。

大井

マスコット的なんですよね。

剛

なんか特殊なね、別格なんですよね。それ、ザ・たっちも言うてましたわ。

大井

ザ・たっちは、まさにキャラクターですもんね。でも、さすがに女を妊娠させたとかいう話になったら凹むでしょ？

剛

それが一番恐いねん。

大井

向こうの親から、「どうなってんだ!!!」って怒鳴られたら、たまんないですもん。

剛

どうしようもないですもんね。そうなったら、平謝りやなあ。土下座。福助状態やな。うちは息子やけど、もし女の子やったら、こんなダンナ連れて来られたらかなわんなっていうのがあるでしょうね。ワケのわからん芸人連れて来たら……一番辛い（笑）。

大井

バンドマンとか劇団員とか。

剛

キビしい（笑）！　

大井

やっぱり公務員がいいですか（笑）？

剛

絶対公務員がええな。

大井

でも、保証がない仕事をやろうかなっていう時期はあるでしょうね。

剛

まあ、何かは出てくるでしょうね。
ああ、でも息子がイタい女連れて来てもイヤやな～（笑）。

大井

剛さんが奥さんの実家に挨拶しに行ったときには、何も言われなかったんですか？

剛

ギクシャク、シーンとしてましたけどね。耐えられなかったんで10分くらいで帰りましたけどね。

大井

僕も作家の仕事してて、嫁の両親に会いに行ったときは向こうの親が僕が何をしてるのか理解されなかったですもん。テレビの仕事をしてるんだろうなってくらいで、一番心配してたのがちゃんと飯食えてるのか？っていうことで。「君はこの先、飯が食えるのか？」って。

剛

遠回しに明細を見せて欲しいみたいな、遠回しに遠回しに（笑）。「年収というか、ね、ね」って。

大井

（笑）。

剛

そこは嫁がフォローしてましたけどね。「いいよ、言わなくて大丈夫だよ！」って。娘には何も言えないじゃないですか、男親は。

大井

剛さんが結婚したときは、テレビとかの露出もあるから知ってるしみたいな。

剛

それは助かりましたけど。

大井

剛さん、1回テレビに出られない病（※８）になったじゃないですか（笑）、その後ですか？

剛

うん、その後その後（笑）。出られへん病のときはずっと部屋に閉じこもってた。パっと起きたら枕元に1000円置いてあんねん。

大井

（笑）！

剛

情けない。結婚せなあきませんわ。

大井

それが今二児の父ですからね。立派です。そろそろ時間がきたので、最後に剛さんにとっての「子育てとは」っていうのを一筆書いてもらいたいんですけど。

剛

ああ、なるほどなあ。何書こうかな～。

大井

なんでもいいですよ。
ちなみに今日は千葉から来られた（※９）んですか？

剛

いや、今は東京なんですよ。

大井

千葉に住んでるっていう話は夏休みの話なんですか？

剛

千葉に住むとか住まへんとかになって、一時期千葉から通ってたんですよ。

大井

それは奥さんが子供には千葉のほうが環境が良いからって？

剛

そうです。子供らもそっち行きたいとか言うんですよ。

大井

確かに渋谷区とか港区とかに住むんだったら、千葉のほうが良いんだろうなっていう気はしますけどね。

剛

良いんですけど、ただやっぱり仕事がねえ。軽自動車乗ってる場合じゃないねん。カッコ悪い……（笑）。

大井

夢がないですもんね（笑）。

剛

ワゴンRで来てる場合じゃないねん。しかも、それをロバートに見られるし（笑）。　「ちゃうねん、これは実家から……」って（笑）。情けないですよ。

大井

（笑）。剛さんがワゴンRに乗ってるところを見たら、みんなこの人何にお金使ってるんだ？って思いますよ。今日はありがとうございました！

剛

ありがとうございました。

中川家　剛　プロフィール
（1970年12月4日）大阪府守口市出身。
お笑いコンビ「中川家」でボケを担当。吉本興業（東京本社）所属。
吉本総合芸能学院（NSC）11期生。通称「兄ちゃん」。

文＝竹村真奈