僕は子育ての何が正しいのかがわからんくなって、どこかで僕がちゃんとやっていれば、子どももちゃんと育つだろうと思ってたから。

大井

幼稚園なのか、保育園（※５）なのかとか、スクール（※６）みたいなものに行かせるのかとか、そこは亮さんも考えるんですか？

亮

僕もちょっとは考えてんけど、そこは嫁の意見のほうが通るな。僕はどろんこ幼稚園みたいな、そんなのに入れたかってんけど、そういうところってめっちゃ行事が多かったみたいで、それをいつもやるのは嫁やし、大変かなと思って。自分が遊びに連れて行くときに、そういうことをやらせたらいいかなと思って。なるべく、嫁が考えてることをベースにするようにはしてますね。だって、僕らより嫁のほうがずっと長く子どもと一緒にいるでしょ。嫁がいいようにせな。

大井

なるほど。

亮

で、上の子は一応私立幼稚園で、2ヵ所受験させたんやったかな。

大井

うちも幼稚園のほうがいいんじゃないかっていう話になってるんですよね。スクールみたいなところに通ったんですか？　いわゆるお受験みたいな。

亮

少しだけ通った。受ける1ヶ月前くらいから、めっちゃ短く。最初は保育園に行かせてたんやけどね。保育園に通うと社交性も出てくるし。でも嫁がスクールに通わせたほうがいいって言うて、それで安心するんだったらじゃあっていうことで。倍率も高くなかったしね。

大井

『笑っていいとも！』をやっていて、『ザ・ベストハウス123』の番宣のときに、田村淳さんと本上まなみさんしか来なくて、「亮さんはなんで来ないの？」って聞いたら幼稚園の面接だって（笑）。

亮

ああ、そのときは願書を取りに行ってたの。2ヵ所受けさせたんだけど、願書が2カ所同時だったから、嫁と手分けして。髪の毛も黒くして行ったんやけど、スプレーで黒くしてるだけやから黒い汗が出てきて、後ろの子どもに「黒いの出てる！」って（笑）。

大井

あはは（笑）！　これから子どもが大きくなって、ゆくゆくロンドンブーツ1号2号の田村亮の子どもだってわかるじゃないですか。そういうことを気にして、タレントとか芸人ってアメリカンスクール的なところとかに入れたりするじゃないですか。そういうケアも考えているんですか？

亮

う～ん、そこはどうしようかなって考えてる。芸能人の親御さんが多いところに入れたほうがいいのかなって思ったりもしてるし、今正直言うと迷ってる。公立でもええんちゃうんかなとも思ってるけど、小学校くらいの年頃って、親が芸能人やったりして自分と違う立場の人がいるとちょっかい出しやすいもんね。小学校って人間形成をするところやから、ここは親としてちゃんとフォローして、チン毛が生えた中学くらいからは、自分でどうにかせなアカンやろっていう風にしようかなとも考えるし、微妙やね。

大井

うちは女の子で、亮さんとは立場も違いますけど、公立の小学校、中学校でヤンキーもいれば、お金持ちもいてっていう雑多な中に入れて、もし悪いほうに行っちゃったらどうしようって、今からちょっと心配なんですよ。私立に入れたら安心かっていうと違うと思うんですけど、可能性としては多少は低くなるのかなって考えていて。

亮

それで、周りに芸能人の子どもがいたりすると、からかわれる確率も減っていくわけやしね。でも、正直なところ、どっちでもええんちゃうんかなっていうのもある。どうにかなるやろって。だって、僕ちゃんとしたこと教えてるもん。でも、どんな親もみんなちゃんと育ててるって思ってるか……。犯罪者の親とかをニュースで見てると恐いなって思うもんね。どこで間違ったんやろ？って思ってしまう育て方っていうのが一番怖いでしょ。うちはめっちゃかまってるし、ほんまのこと言うてるし、僕に似たようなヤツが育つような気もすんねんけどな～。大間違いはせんやろうと。

大井

そうですよね。

亮

でも、「芸能界に入る！」とか「僕、中国で商売やってみるわ」とかわけわからんこと言うような気もするし（笑）。けど、人を殺したりとか、人を追い込んでなんかしたりとかいうような人間にはならんような気はすんねん。でも、どうなるかわからへんしな。

大井

イジメの話とかあるじゃないですか。例えば、自分の息子がイジメられてるんじゃないのかなって思ったときに、亮さんは学校に行くと思いますか？

亮

そのとき、子どもって親には話さへんやろうな。

大井

僕ね、イジメられてるのも嫌だし、イジメてるのも嫌だなと思うんですよ。どうしたらいいのかなって。どのタイミングで学校に行くのかなって。自分の若いときの感覚で言うと、イジメてたヤツの親が学校に来て「おまえら何やってんだ！」って言って子どもを叱ったとしても、そいつらは多分もっとイジメるなっていう感覚があるんですよ。

亮

僕は学校には行かへんと思うけど、どうにか子どもから聞きだして、「イジメられてるんなら、こんなんやってみたら」って言う。聞き出せるかどうかもわからへんけど。そこで信用されてないとそんな話もできへんからね。でも、例えば僕のことでイジメられてたりしたら、僕に相談できへんかったりするかもしれへんね。

大井

芸人と普通の人の育て方の違いって、一番はそこだと思うんですよね。親のイメージが子どもに影響していく商売じゃないですか。

亮

どついたったらええんちゃう（笑）？

大井

（笑）。

亮

それやったら、アマレスやれって言うわ。アマレスやると基本の身体が強くなるから。

大井

まあそうですね、そんだけ強かったらイジメられないですよね。

亮

小さいときは武力はけっこう関係あるからな。その武を高めるっていうのはひとつの手やと思うし。

大井

イジメてたらどうします？

亮

イジメてるのはめっちゃ怒る。カッコ悪いことをするな！って怒ると思う。やっぱりカッコ良く生きて欲しいなと思うから。僕らみたいに面白いことをカッコ良いと思ってる人もいれば、歌が上手いことがカッコ良いと思ってる人もいる、なんでもええから自分がカッコ良いことを目指して欲しいね。ルックスだけじゃなく、一生懸命やってることがカッコ良いと思えるような、そういうことを教えたいなと思う。

大井

僕は自分の子どもが無職だろうが、売れない何かをやっていてもかまわないんですけど、人を殺したりするのが一番ショックだと思うんですよね。さっきの話じゃないですけど、普通に育てているつもりでも、そういう事件ってあるわけじゃないですか。そのときに対処方法ってわからないですよね、やっぱり。

亮

わからないよね。こないだ、ある少年犯罪の親が謝罪会見で「何が悪かったのか正直わからないですけど、ただ何かが間違っていたからこんなことになってしまったんだと思います。何年かけても絶対に更正させて償わせます」って言うてるのをニュースで見たのよ。ちゃんとした親やねん。それを見て「え、なんで……？」と思って、わからんくなったんですよ。今までそういう犯罪を犯す人の親って、どこかおかしいイメージがあったんですけど、その会見を見たときに、僕は子育ての何が正しいのかがわからんくなって、あんなにちゃんとした親のところでも、こうなるのかって。それまでも恐いと思ってたけど、どこかで僕がちゃんとやっていれば、子どももちゃんと育つだろうと思ってたから。

大井

そうですよね、ちゃんと育つだろうと思ってないと育てられないですもんね。

「父ちゃんなんで金髪なの？」って聞かれたらどうしよ？

大井

自分の子どもが将来こうなって欲しいなっていうのはあるんですか？

亮

そこまで考えてないな。

大井

例えばですけど、芸人になりたいって言ったら「いいよ」って言うんですか？

亮

簡単には言えないですけど、オッケーするしかないくらいの熱意でくれば。僕に「絶対アカン」って言われて諦められるんであれば、続かへんと思うし。それはなんの仕事をしててもそうだけど、ホストやるって言われたら「ん？」って思うかもわからん。ホストってなんかわからんけど、ちゃんと稼いでんねんけど、胸痛くならへんのかなってどっかで思うねんな。

大井

まあ、頑張れとは言いづらいですよね。

亮

……AV男優って言われてもなあ、僕別に職業差別をしてるつもりもないけど、テクニックとかチ●コが立つとか、すごいエライことがいっぱいあると思う。……ああ、でもAV男優の方がまだマシか、順番で言うと。「恥ずかしいで、大丈夫？」とだけ言う（笑）。

大井

まだ劇団をやりたいと言われて、「売れるかどうかわからないぞ」っていう話のほうが前向きですよね。僕は娘だから、「援助交際をして何が悪いの？」って言われたらどうしようって。そのときは「援助交際してることがカッコ悪い」っていう言い方をしようとは思ってるんですけど、「自分の体で稼いで何が悪いの？」とか言うと思うんですね。「いいじゃん別に、自分の体で稼いでるんだから」って。

亮

「おまえの体じゃねえよ、僕の精子と母ちゃんの卵子でできてんだぞ、コノヤロウ」って（笑）。

大井

（笑）。

亮

「言っとくけど、おまえひとりで生きてきたと思うなよ、僕の言うこともちょっとは聞けや！」ってなるな。

大井

なるほど。

亮

「半分聞けや、いや、これに関しては100%聞いてくれ」って。「これは僕が許されへんって、許されへんことを僕の家庭でしてくれるな」って。カッコ悪いし。

大井

「もう私、出て行く」って言われたら？

亮

「止めてえ～」って（笑）。いや、止めてじゃない、世の中ナメ過ぎちゃうかって言いますね。

大井

出て行ったら、もっと援助交際しますよ。

亮

そやねん、生きていかなあかんからもっと援助交際しよんねん。そんで、性病移されて……ああ、でも何て言おう‥‥めっちゃ難しいやん！

大井

ホントに考え出したらキリがないんですよね。

これまで子育てのことでインタビューされたことはあるんですか？

亮

インタビューではないかな。テレビではちょこちょこ話してるけど、ここまで話したのはないですね。あと、ずっと気になってるんやけど、「父ちゃんなんで金髪なの？」っていつか息子に聞かれたらどうしよう？　なんかいい答えない（笑）？

大井

逆に子どもが中学生になって、金髪にしても何も言わないですか？

亮

「ダメだよ、おまえがやると僕のキャラ薄くなるじゃん」って言う（笑）。「僕とかぶるじゃん」ってちゃんと説明する。

大井

あはは（笑）。今日は貴重なお話をありがとうございました。最後に亮さんの子育て論を一発お願いします。

亮

何にしようかな……、イメージは『ALWAYS三丁目の夕日』の堤真一さんやな！

大井

やっぱり日本の雷親父っぽい感じなんですね。

▲「ALL WAYS」となっていますが正確には「ALWAYS」です。コレもご愛敬！